皆さんこんにちは。
SaihanaFXのSonohaです。
今回は、FXにおける市場時間(セッション、時間帯)ごとの相場のクセや値動きの特徴を一覧形式でまとめていきます。
特徴一覧のまえに…
FXトレードの舞台となる外国為替市場の基礎知識をおさらいしましょう。
外国為替市場は、各国の銀行や証券会社で構成される「インターバンク市場」と、企業や個人投資家が参入可能な「対顧客市場」とに分けられます。
また、各国の時差によってアクティブな市場が移り変わっていきます。各地域・市場がアクティブな時間帯を市場時間(セッション)と呼び、特に取引が活発に行われるセッションは「アジアセッション」「ロンドンセッション」「アメリカセッション」の3つです。
より詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
なぜ市場時間ごとに相場の特徴が現れるの?
理解を深めるために、相場に特徴が現れる理由を押さえておきましょう。
(理由を理解できている方や、丸暗記で済ませたい方は読み飛ばしてOKです。)
大前提として、相場はインターバンク市場によって決定され、その価格が対顧客市場に適用されます。
インターバンク市場は、各国の銀行による取引が大きな一部を占めます。銀行は両替、外貨預金、海外送金など、いわゆるFXではない為替取引も取り扱っています。例えば日本の銀行であれば、両替なら「円とドルの両替」「円とユーロの両替」など、外貨預金なら「円とドルを両替して預金」「円とユーロを両替して預金」など、どうしても自国通貨を中心とした取引が増えます。各国とも銀行の営業時間は24時間ではありませんから、営業時間にああたる時間帯には自国の通貨の取引が増え、休業時間にあたる時間帯には自国の通貨の取引が減ります。これが少なからず為替相場に影響を与えます。
ただし注意したいのは、全世界の通貨取引の中で自国取引がどれだけの大きさなのかという相対関係も忘れないことです。
国際決済銀行(BIS)の発表によると、1日あたりの外国為替の取引額はイギリスとアメリカを合わせると全為替取引の約6割を占めるようです。したがって、日本の銀行がアクティブな時間帯になされる取引量とイギリスやアメリカの銀行がアクティブな時間帯になされる取引量は、そもそも大きな格差があるということです。これはそのまま相場への影響力に繋がっていきます。
端的に言えば、イギリスやアメリカがアクティブな時間帯は取引量が増えて相場が荒くなり、イギリスやアメリカがパッシブな時間帯は取引量が減って相場が穏やかになるのです。
また、政治的な観点から、各国の経済指標や政策金利の発表がある時間帯はリスクを避け安全通貨が買われる(リスクオフ)、逆にそれ以外の時間帯はリスクを好み安全通貨が売られる(リスクオン)といった傾向も現れます。
市場時間ごとの相場の特徴一覧
さて、では改めて人気のセッションである「アジアセッション」「ロンドンセッション」「アメリカセッション」について、相場の具体的な特徴を見ていきましょう。
注目すべき時間帯、よく動く通貨、相場の値動きの特徴とその理由を、簡潔に箇条書きでまとめてみました。
アジアセッション
注目すべき時間帯:8時~15時(日本時間)
よく動く通貨:JPY、NZD、AUD
値動きの特徴:レンジ相場になりやすい
なぜ?
アジア圏の銀行がアクティブなので、アジア圏の通貨が取引されやすい。
アジア各国の経済指標や政策金利の発表が集中しているので、リスクオフ傾向により円が買われやすい。
中国経済に引っ張られ、豪ドルが取引されやすい。
アジアやオセアニアを中心としたセッションでは、為替取引量の最も多い二ヶ国であるイギリスとアメリカがパッシブな時間帯であることから、1日の中では為替取引量が比較的少なく値動きも穏やかになりやすいです。逆に言えば、方向性が見えにくくレンジ相場となりやすいということですね。
世界三大通貨のうちドルとユーロが落ち着いている時間帯であることもあり、また各国の経済指標や政策金利の発表が集中している時間帯でもあるので、円が買われやすい時間帯でもあります。あくまで傾向ですが、クロス円の通貨ペアがやや下降気味になるかもしれません。
値動きが緩やかなので、これまでの値動きをじっくり分析したり、これからの値動きを考えてトレードシナリオを立てるのに最も適した時間帯です。
ロンドンセッション
注目すべき時間帯:16時~21時(日本時間)
よく動く通貨:GBP、EUR、CHF
値動きの特徴:トレンドの決定や転換が起こりやすい
なぜ?
ヨーロッパの銀行がアクティブなので、ヨーロッパの通貨が取引されやすい。
ヨーロッパ各国の経済指標や政策金利の発表が集中しているので、リスクオフ傾向によりフランが買われやすい。
投機筋の参入により、相場が大きく動きやすい。
イギリスのロンドンを中心としたセッションでは、最も為替取引量の多い国であるイギリスが参入してくるため、相場が流動的になり値動きが激しくなりやすいです。特に、多くの投機筋により一気に相場が展開していき、トレンドが転換したり揉み合いから上下どちらかに抜けたりといった値動きもよく見られます。
ポンドやユーロは主要通貨の中ではもともとややボラティリティの大きい通貨になりますが、この時間帯ではそれがより強調されることになります。
このセッションのトレードでは、トレンドの転換を狙った逆張り手法や、レンジの高値安値を意識したブレイク手法が人気です。
アメリカセッション
注目すべき時間帯:22時~翌6時(日本時間)
よく動く通貨:USD、CAD
値動きの特徴:トレンドの継続や値動きの拡大が起こりやすい
なぜ?
イギリス・アメリカともアクティブな時間帯なので、為替取引量が最も多い。
米中貿易摩擦の動向に注目が集まり、ドルが売買されやすい。
地政学リスクの動向に注目が集まり、ドルが売買されやすい。
アメリカのニューヨークを中心としたセッションでは、為替取引量の最も多い二ヶ国であるイギリスとアメリカがアクティブな時間帯であることから、1日の中では為替取引量が最も多く値動きも激しくなりやすいです。
また、アメリカの政治的・社会的・軍事的動向が注目される時間帯であり、その如何によってドルが多く取引されるセッションでもあります。
これまでのトレンドが継続したり、レンジの幅が拡大したりといった値動きが現れやすいので、順張り・トレンドフォローや短期売買が人気のセッションとなります。
市場時間を表示するインジケータ
実際に相場分析やトレードを行うにあたっては、チャート上に市場時間が表示されている方が直感的で分かりやすいですよね。
SaihanaFXでは、扱いやすさとツールの豊富さからTradingViewの利用をおすすめしています。ここでは、TradingViewで利用可能な市場時間表示インジケータをご紹介します。
(TradingViewをまだ利用でない方は、SaihanaFXからの紹介で特典をゲットできます。下のリンクからどうぞ。)
Sessions on Chart
インジケータの検索欄に「Session」と入力して先頭に出てくるのがこの「Sessions on Chart」です。
セッション表示インジケータの中でも特にシンプルで、最も多くのユーザーに利用されています。
あらかじめロンドンセッション、ニューヨークセッション、東京セッションが定義されており、細かな時間の調整や色の変更も可能です。
「Activate High/Low View」にチェックを入れることで、色を付ける縦幅をセッション内のロウソク足の最高値および最安値に合わせることができます。
Code for All 4 Forex Sessions W/ Background Highlight!!!
2番目に人気なのが、この「Code for All 4 Forex Sessions W/ Background Highlight!!!」です。
市場時間のオープンとクローズを強調してくれるという親切設計になっています。
セッション時間の調整はできませんが、どのセッションを表示するかどうか、オープンとクローズの強調を表示するかどうかを設定可能。もちろんカラーリングもカスタマイズできます。
まとめ
今回は、メジャーな市場時間の特徴について解説を行っていきました。
まとめると以下のとおりです。
アジアセッションはJPY、NZD、AUDがよく動き、レンジ相場になりやすい!
ロンドンセッションはGBP、EUR、CHFがよく動き、トレンドの決定や転換が起こりやすい!
アメリカセッションはUSD、CADがよく動き、トレンドの継続や値動きの拡大が起こりやすい!
市場時間表示インジケータを活用することで、直感的に市場時間を把握できる!
市場時間ごとに値動きの特徴が現れる理由まで理解できているとより良いですね。
これからも、FXに関する情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
SaihanaFXで私たちと一緒に「勝てるトレーダー」になりませんか?
私たちは、一緒に学べる仲間を募集しています。
Comments